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Donに聞け!!元気な経営者さんインタビュー

週刊求人の人気連載「ドンに聞け!」のWeb版です。 各エリアの元気な社長さん、経営者さんをご紹介します。 普段聞けない経緯や裏話も必見です。
※「Donに聞け!!」のコーナーは連載を終了しました。


レストランチャイニーズムーン 漆原稔育氏
一歩一歩進む 仕事は盗んで覚える

 「小学生の頃から料理人になるのが夢でした」と話すのは、帯広市西五条でレストラン『チャイニーズムーン』を経営する、オーナーシェフの漆原氏。
 「高校を辞め、札幌のホテルで十六歳から働きました。本来は、洋食の方を希望していたのですが、たまたま勤めた所が中華だったもので、働いている内に面白くなりました。中華に限らず、料理の世界は厳しくて辛いと言う事を聞いていましたが、それは私が想像していた以上に過酷なもので、仕事の面では勿論の事、初任給も三万円でした。寮や住み込みと言った制度も無かったので、家賃が七千円のアパート暮らしから始まりました。水道光熱費を払うと、手元には、ほとんど残りませんでしたよ。幸いな事に、食事はホテルで食べても良いと言う事だったので、何とかやって行く事ができました。勿論、包丁などは握らせて貰えません。一日に何度も殴られながら、鍋洗いや掃除等の雑用ばかりです。気が付くと、同期の人達は皆辞めてしまい、私一人になっていました。それでも辞めようと言う気にはなりませんでしたね。子どもの頃から憧れていた職業でもあり、とにかく先輩達がカッコイイんですよ。自分も早くああなりたいと思う気持ちから、必死になって働きました。一年が経ち、ようやく包丁を握らせて貰える様になると、誰よりも早く厨房へ入り、先輩の仕事を終わらせて、それから自分の仕事をやるんです。先輩に「やっておきました」と言うと、必ず文句を付けて来るんです。その時が仕事を教えて貰うチャンスなんですよ。「こんなんじゃダメだ!いいか見てろ」と言って実演してくれるんです。味付けにしても、鍋を洗う時に、指ですくって舐めて見るんです。見つかると怒られるんで、隠れてね。次回その料理を作っている時に、どんな調味料を入れているのか、良く見ているんです。一口に調味料と言っても、物凄い数があるので、一つ一つに自分の頭の中で番号を付け、一を入れた。五を何杯入れた。とか言った様に覚えるんです。仕事は誰も教えてくれません。盗んで覚えると言う世界ですからね。そこでは五年間働いた後、憧れていた東京へ行きました。そこは、七十人以上ものコックがいて、レベル的にもかなり高いものでした。自分よりもずっと年下の人間が、見た事もない料理を作っていたりと、そこそこ料理はできると言う自身があっただけに、かなりのショックでしたね。でも今になって思うと、あの頃の辛くて苦しい時期が一番楽しかった時でもありましたね」と笑顔で話す。
 これから新しく働こうとしている人達に対して。
 「夢を持って仕事をして欲しいですね。その為には努力を惜しまず、決して諦める事なく突き進んでもらいたいです」
 苦労に苦労を重ね、成功した時、その時の苦労は、良き想い出へと変化する。「あの頃は辛かった」と言える想い出が多い人程、大成してる様に思う。