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KONなん どうでshow!
「Q-jin君」で新たにコラム連載がはじまりました。 日常にひそむオモシロイことや小さな疑問、切ない想い出…。 小企画ながら侮るべからず!読者に大人気のコラム連載です。
第61話 「出身地」
出勤して来たAが言った。
「今朝はジリがひどいね」
「ジリ?なんすかそれ」好奇心旺盛なBが飛びついた。
「うん?ジリって言わないかい?霧のこと」Aの何気ない言葉で社内が大いに盛り上がることとなった。
「何、それって方言なの?初めて聞いた」Cが言った。
「あれ?霧のことジリって言うよね」Aは確かめる様に社員全員に問いかけたが、賛同する者は居なかった。
「釧路弁じゃないの?」釧路出身のAにCが言った。
「釧路弁って言うより、浜言葉なのかな?よく分からないけど、俺の周りじゃ皆使ってるよ」
「周りって、Aさんが釧路に居る時だよね」Cが言う。
「んじゃ何?霧吹きの事はジリ吹きって言うの?」
「いや、そうは言わないな」Aは笑いながら言った。
「霧の町釧路って言ったら何かこう、幻想的で良い響きだけど、ジリの町釧路じゃ、ズッコケますね」とB。
「でも釧路の人って独特の訛りと言うか、言い回しがあるよな」Cが言った。
「そうそう、そう言えば家の舎弟が言ってたけど・・・」と言い出したDの言葉に、またまたBが飛びついた。
「シャテイ?まさかDさんってそっちの道の方?」
「えっ?舎弟は弟の事だよ」
「Dさんて茨城だったよね」と、Cも飛びついたその時、部長の怒り声が響く。
「お前らいい加減仕事しれ」
「しれ?部長は何処の出身でしたっけ?」Bが言った。
第62話 「前職」
社員のBが古くなった家の外壁の改築をしたいと言い出した。
「Bさん。僕の前職は知ってます?」Aが言った。
「知らねえよ。んなもん」
「あららら、僕の前職は建設会社勤務っすよ」
「何?大工だったのか?」
「う〜ん。現場担当っすね」
「そっか、んじゃどっか良い業者知らないか?」
「はい。安くて丁寧で親切な業者を御紹介致します」
「おお、そっか。それじゃ頼むよ。何だ、灯台元暗しだな。こんな身近に居たなんてさ」と言ってBは喜ぶ。
「明日、外壁のカタログを持って来るんで、その中から選んで下さい。それと次の日曜日、Aさんの家に行ってどんな感じか見たいんですが、良いですか?見積もりは、その後になります」
「良いよ。でもお前、何だかあれだな、業者みたいだな」と言ってBは笑った。
「Bさんは忙しいんで、僕が全部手配しますよ。日頃お世話になってるんで」
Bの予算通りの見積もりも出て、着工はBが休みである日曜日からとなった。
やがて着工日になり、業者がやって来た。よく見ると、その中に作業着を着たAが紛れていた。一生懸命に資材を運んでいる。
「何やってんの?お前」
「改築工事に来たんすよ」
「何でお前が?」
「○○建設は僕の実家っす。会長がじいちゃんで、社長が親父っす。僕は今日だけの手伝いって事で」
第63話 「犯人」
庭に睡蓮を植えた水鉢を置いた。最近は天気が良い為、蕾も膨らみ、毎朝出勤前に、水鉢を覗く事が日課となった。
ある日の事、水鉢の底に魚の骨が沈んでいた。妻に話すと、この辺りに住み着いている野良猫の仕業だろうと言う事になった。猫よけに木酢液が良いと聞き、水鉢の周りにたっぷり撒く。次の朝、水鉢を覗くと、今度は油が浮いており、底には太いミミズの様な物が沈んでいた。恐る恐る取り出すと、ラーメンの麺だった。紅生姜も出て来た。
「やきそば?誰?こんなとこに焼きそば捨てたの」犯人はどうやら野良猫ではなさそうだ。
ある朝、窓から庭を見ると、何かを咥えたカラスが電線にとまっているのが目に入った。まさか、と思った瞬間、カラスは水鉢の縁に降り立ち、口ばしに咥えた物をジャブジャブと洗いだした。そして、程よく濡れた物を流し込む様に飲み込んだ。水鉢を見ると、パンくずが沢山浮いていた。次の日もカラスはやって来た。今度は、おにぎりを咥えている。「あっ、それは止めといた方が・・・」
でもやっぱりカラスは、おにぎりを洗い出した。無論結果は言う迄もなく、おにぎりは、カラスの胃袋に納まる事なく、無残に砕けて水鉢の底へと沈んだ。
カラスは何度も顔を横に傾け、長い間不思議そうに水鉢の中を見ていた。
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